金魚の浴衣

ショートショート
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ショートショート金魚の浴衣

浴衣との出逢い

初めて浴衣を着た時の話しを少しだけ。

店員にイメージを伝え、いくつかの浴衣と反物を見せてもらう。
好きな水色をベースにした既成の浴衣を選んだ。
模様は、白い水の流れと、裾に赤い金魚が泳いでいる。
帯はグリーンとイエローのリバーシブル。
当時は、襟首に色を添えるのが流行っていて、ゴールドを選んだ。

小さい頃、母親が着つけをしていた記憶をたどって、自分で何とか形に出来た。
帯は蝶結びをアレンジした。

「うまくいった。」

倫太郎さんのこと

倫太郎さんとの待ち合わせ場所に向かう。
マンションからタクシーに乗って、勾当台公園近くの交差点で降りる。
待ち合わせ場所の三越までもう少し。
小走りしたいけれど、履き慣れない下駄じゃ転んでしまうかもしれない。
気持ちだけが急かされる。
倫太郎さんを待たせないようにと急いだ。

倫太郎さんはわたしを見つけて、恥ずかしそうに手を振っている。
わたしが先に着いて、待っていたかったのに。
倫太郎さんは、既に待ち合わせ場所にいた。
駆け寄ると、小さな小袋を渡された。おそらくアクセサリーだろう。
口元だけ、少しほほ笑んで受け取る。
倫太郎さんとはぐれないように、少しだけ後ろをついて歩く。

仙台七夕の一番町は人が溢れていて、わたしと倫太郎さんの想いが交差したって誰も気が付かない。

夏祭り

小料理屋で、刺身と冷酒を話しの潤滑油にして、日々の出来事や阪神淡路大震災の事を話した。
彼は淡々とした口調で話す。
大人の視点で切り込む意見は新鮮で、自分のステータスが上がったような錯覚に陥る。

20:00少し前に小料理屋を出て、わたしが務めるクラブへ急ぐ。
少し遅刻したけれど、黒服は笑顔で迎え入れてくれた。

きょうから3日間、浴衣出勤が続く。


仙台七夕祭りが始まる。                    fin

                    

                    *すべてフィクションです。

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