ローズマリーで肉を焼く

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スパイスカレーを作った。
ネットで見かけた材料と作り方にざっと目を通し、100均で揃うスパイスカレーと名打っていたのでさっそく100均へ行く。
店員に売り場を聞いてそこまで連れて行ってもらう。

「ここにあるだけです。」

耳慣れたセリフに「ありがとうございます。」と上っ面なお礼を述べて目当てのスパイスを探す。
スパイスなんて売ってなかった。
カレー粉しか棚に並んでいなかった。
いつもなら、「これだから田舎は嫌なんだ。」そう何かのせいにして即帰宅するところだ。
わたしは、思い通りに行かずひとつ躓くと、すぐ諦めてしまう癖がある。

それでもその日はなぜか、スパイスカレーを作りたくって少し離れているスーパーへ出向いた。
目的のスパイスは入手できた。
100均と大して値段も変わらない。

具材は、肉だけでいい。
鶏のもも肉にした。館ヶ森ファームの鶏肉にした。
肉の目利きは皆無だ。パッケージがおいしそうに見せていたのでそれにした。演出って大事だな。

せっかく、おいしそうな(パッケージの)鶏肉を発見したのだから、さらに美味しく調理してやりたい。
ローズマリーを買った。

調理に取り掛かる。
玉ねぎを飽きるまで刻み続け、飽きるまで炒め続ける。
スパイスは適当に調合した。
ネットには割合が事細かに記載されいてたが、そんなことは忘れてしまった。
適当に作ったスパイス配合カレーは適当に仕上がった。
よし。基本のカレーは出来上がりっと。

鶏肉の皮に包丁で切れ目を入れておく。
ローズマリーを敷いて皮を下にして焼く。
肉の上にもローズマリーを乗せておく。

こ洒落たバルのような香りに包まれ、この時間を味わう。

いつもと違う、洒落たカレーをわたしは家族と食べる。
家族と言っても、年老いた母と、嫁ぎ先から帰ってきている姉とだ。
ほんとは、愛する旦那さんとか、愛おしい我が子と食べてみたかった。
そんなことを夢見たり、無いものねだりをしたくなるのは、ローズマリーと肉が焼ける香りのせいだろう。

きょうは、夢は寝てから見ろってお話し。

『食事は何を食べるかより、誰と食べるか。』
この言葉を今日の食卓に乗せておこう。
唯一無二の家族。
いつもそばで見守ってくれる家族に感謝して。

夏を食べよう。              fin

*これはフィクションです。


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